昭和後期こどもの歴史研究会

~こどもは生まれる社会を選べない。生まれた社会に適応するだけである。Byエミール・デュルケーム~ 昭和後期のこどもが育った社会はどういう社会だったのでしょう。 それは、現在のこどもが育つ社会とはどのように違ったものだったのでしょう。 昭和後期に育ったかつてのこどもたちが、現在のこどもたちに、自分たちの育った社会を語り伝えたいと思います。 それが現在のこどもたちの歴史認識となり、彼らが未来を選択していく上での糧となることを願います。お問合せは、info★takuboy.net。★を@にして下さい。

ズッコケ熟年三人組

2005年以来続いていた、「大人になった三人組」の完結作品です。

人気作のようで、市立図書館で貸し出し中が続いており、やっと借りることができました。

・三人は、年齢相応に年を取っている。

・三人は、流行に沿った生活様式を取り入れることが嫌いではない。

そうして最大の特徴は、

・三人を含めた旧・花山第二小学校6年1組は、卒業以来、6年生の時の人間関係を維持している。

降霊術だなんて、三人は絵に描いたような70年代の少年なんだなあ・・・と思いました。

広島東洋カープの初優勝の余韻が残っていた頃ですよね。

オカルトブームの影響を受けた70年代の少年が、80年代に青年になり、学園で新宗教に勧誘され、その最も先鋭的な部分がオウム真理教事件を起こしたのですよね。

あとがきで、作者の那須正幹さんが、「彼らは平和と民主主義の申し子」と述べていました。

那須さんは、しばしば日本共産党機関紙「赤旗」に登場されます。

確かに、その通りだと思います。

あの頃は、先生たちが大体組合員で、自衛隊を悪し様に言い、「はだしのゲン」が夏休みの課題図書になったりしました。まだ30代半ばの人に空襲の記憶があった時期です。

そうして那須さんは、「いつまで戦後であり続けるのか分からない」と述べていらっしゃいます。

オウム真理教事件とほぼ同時に起きた阪神・淡路大震災を契機に、自衛隊が国民に認知され、危機管理という考え方が一般的になり、それから昭和史について日本の国益を擁護する側から見ることがかっこいいとされるようになったことを考えると、今のこどもたちは既に「平和と民主主義」が敗走する姿を見て育っているのかもしれません。