鷲田清一『ひとはなぜ服を着るのか』日本放送出版協会1998年を読んで
ファッション論の本です。
ファッションは、服装だけではなく、音楽・美術・思想など、その時代の人々の精神生活全般に影響を及ぼします。
ファッションは、「物語の魅力が摩耗して来ると、それを廃棄して別の物語に取り換える」「新しい物語は、<今>を生きているという気持ちにさせる」「いいから流行るのではなく、流行るからいい」「その物語が摩耗すると、また別の物語に取り換えられる」とのことです。
児童文学原作の児童映画は、「摩耗した物語」に当たるのではないでしょうか。
「児童文学原作の児童映画には普遍的な魅力があり、非営利の立場から今後も児童映画を継承する」という実践をしたいですね。
そう言えば、先日テレビで「25年目のJリーグ」という言い方をしていました。
「81年目の日本プロ野球」とは言わないと思います。
昭和30年代にも、「25年目の日本プロ野球」とは言わなかったと思います。
2026年のW杯では、出場国が現在の32か国から48か国に増やされるとか。
何を根拠にして10年後に今よりもサッカーが盛んになっていると予測が付くのでしょうか。
「サッカー産業にお金が流入し続けており、減る気配がない」ことが指摘されています。
プロ野球と比較してみると、プロサッカーには流行りの要素が強いことが分かります。
そうすると、プロサッカーは一旦物語の魅力に摩耗が見られたら、プロ野球よりも窮地に陥る可能性がありますよね。