若者は変革を求める
最近の若い人は、自民党を支持する傾向が強いそうですね。
私の認識と異なり、当惑しているところです。
昭和後期に形成された私の認識では、70代以上が最も自民党を支持し、60代、50代、となるにつれて自民党の支持が減って行き、20代は自民党支持が最少になるはずでした。
そうして若者は新しいものが好きだから、彼らが野党を支持するのは当然のことだろうな、と受け取っていました。
更に時代が流れ、社会が進歩すればするほど、自民党の支持基盤はなくなっていくのかな、という気もしていました。
しかし、ここで言う若者とは、団塊の世代の若い頃のことだったのですよね。
今でも団塊の世代に当たる60代は、他の世代に比べて安倍内閣支持率が低いそうです。
若い人の中でも、「就職もできたし、今のままでいい」という人は、どの世代にもいる大衆という存在でしょう。
岸信介元首相が言った「声なき声」とは、大衆のことであると考えます。
全共闘の時代に、中核派全学連の委員長が「無知な大衆を乗り越え」と演説し、直ちに非難されたと聞いています。
ただ、「野党は理想ばかりを言う」「それに対して、自民党はしっかり現実対応してくれる」と言って、若い人たちが町工場の社長と一緒になって自民党現職を応援しているというのでは、どこか違和感を覚えます。
若者に理想が通じないのですから。
「♪昭和無理、どこから見ても平成がいい」と歌った平成ジャンプのメンバーたちが、1993年生まれであるとのことです。
中国の古典『十八史略』に「鼓腹撃壌」という物語があります。
インターネット上の辞典では、「鼓腹撃壌」を以下のように説明しています。
<古代中国伝説上の聖天子である尭が、世の中が治まっているのかどうかを確かめるために、ひそかに市井に出たとき、老人が腹つづみをうち、地面をたたいてリズムをとりながら、太平の世を謳歌する歌をうたっていたという故事から>
平成ジャンプは現代版の「鼓腹撃壌」を歌い、太平の世を謳歌しているのかもしれません。