元大学生と元小学生
朝日新聞be4月28日付けの「サザエさんをさがして」で、「最近のこどもはかくれんぼをしない」という記事が掲載されています。
関西大学人間健康学部教授の杉本厚夫さんによれば、かくれんぼという遊びにはシカトの要素があり、現代のこどもの孤独感を苛むのだそうです。
記者の佐藤陽さんは、私と同じ51歳。
慶應義塾大学日吉キャンパスで、大学生たちとスマホを使ったかくれんぼをしてみて、「自分のこどもくらいの年齢の学生と一緒に走り回った」と書いています。
情けないですね。
私は勤務校で現役小学生と一緒に走り回っており、現役小学生を目の前にするとそこに友達を見てしまいます。
男性教員の更衣室に置いてあるドッジボールを見ると、「このボールの向こうに現役小学生たちとの友情がある」くらいに感じてしまします。
その話を友人にしたら、「〇さん(←私の実名)の身長がどんどん小さくなっていくのですね」と笑われました。
それより情けないことが、この記者がご自分のことを「昭和記者」と自嘲して「時代の流れだと思う」と書いていること。
昭和(特に後期)をリアルタイムで経験している者が、現代のこどもに昭和(特に後期)を伝えて行こうとする意思がないのですよね。
ご自分のことを「老兵は消えゆくのみ」くらいに思っているのではないでしょうか。
かくれんぼが消え始めたのが、1995年前後だそうです。
「1990年代半ば、昭和後期以来のこども文化の系譜が途絶えた」とする仮説は、また一つ補強されたと思います。