昭和後期こどもの歴史研究会

平成時代の社会変化で、その直前の昭和後期こどもの歴史は忘れられています。お金にならないため、企業も投資したがりません。人間の幸福感の問題として、昭和後期のこどもの文化を、現在のこどもたちに伝えていく努力をしたいです。昭和後期のこどもの文化に幸福を感じる現在のこどもを、一人でも育てられたら嬉しいです。

河原和枝『日常からの文化社会学-私らしさの神話-』世界思想社2005年を読みました

基本はゲオルク・ジンメルなのですね。

ファッションは「常に過去と現在の分水界に立ち」「他の現象には稀にしかないほどに、強烈に現在の感情を与える。」

今のこどもたちは、分水界の向こうの過去を知りません。

現在の感情を抱くことに、優越や安心を感じるようです。

歴史教育を通じて分水界の向こうのありのままの姿を知らせなければ、誤った優劣意識を身に付ける恐れがあります。

1960年代のファッション革命についても紹介されています。

昭和後期は1960年代ファッション革命の申し子のようなところがあるのですが、1960年代ファッションは現在も継続していると見做すのには違和感があります。

『赤い鳥』には非営利の文化雑誌というイメージがあります。

しかし本書では、『赤い鳥』の童心主義が、子供を読者とせず、大人を読者としており、大人の懐古趣味である可能性を指摘しています。

現在のこどもと向かい合って初めて値打ちがあるのであって、本会も同窓会にならないことを標榜しています。