昭和後期こどもの歴史研究会

平成時代の社会変化で、その直前の昭和後期こどもの歴史は忘れられています。お金にならないため、企業も投資したがりません。人間の幸福感の問題として、昭和後期のこどもの文化を、現在のこどもたちに伝えていく努力をしたいです。昭和後期のこどもの文化に幸福を感じる現在のこどもを、一人でも育てられたら嬉しいです。

管理教育の行く末

教員採用試験の勉強会で、「ザ・中学教師」という映画の上映会がありました。 プロ教師の会の原作で、1992年の作品です。 中学校舞台の作品であり、本会の研究対象よりは上ですが、教育現場で当時できたことが現在あまりにもできない、と話題になりました。 …

おさるのかごや

朝日新聞1月12日(金)付けオピニオン欄、「異論のススメ」。 保守系思想家の佐伯啓思さんが、「明治維新150年-矛盾はらんだ日本の近代」という文章を寄稿しています。 明治維新以来の日本の近代は、その中間に第二次世界大戦があり、第二次世界大戦を挟ん…

幼児雑誌に見る戦前・戦後

今日、東京・飯田橋の印刷博物館で開かれていた「キンダーブック90年展」の最終日で、見て来ました。 この90年間で、戦前の展示比率が高いのが特徴だな、と感じました。 ただ、戦前は自分の頃と比較ができないな、とも感じました。 戦前の「キンダーブック」…

嫌いだ!友達と仲良くなれる消費社会

「平成と言う時代には、東日本大震災の後、別の時の流れがあり得たはずではなかったか-。消費社会という巨大な歯車が静止した間、別の可能性を模索し、生き方を見直した人もいた。でも、その歯車は再び回り始めた。前よりも強く。」 朝日新聞1月5日(金)2…

教師の勉強会の飲み会に参加

本会の事務長のお誘いで、僕も教員採用試験の勉強会に参加しました。 僕は民間企業に働いていますが、教師を目指しています。ただ、本業の仕事量が増え勉強をする時間がなかなか取れず、経済面のこともあり、思い通りに事が進まない状況でしたので、勉強会に…

利潤目的の文化運動

大晦日の今日、教員採用試験の勉強会の代表宅で飲み会がありました。 中学校の英語教諭で、映画が好きなSさんが、「70年代に何があったかな。どんな映画があったかな。トラボルタ…」と言い出しました。 「サタデーナイトフィーバー」ですね。 60~70年代の映…

戦後の児童大衆文化

国立民俗歴史博物館に行って来ました。 京成佐倉へは、我が家から2時間以上掛かるのですが、企画展「1968年-無数の問いの噴出の時代」が今日までだったので、思い切って出掛けることにしました。 この時期に学生運動を担った人たちは、昭和後期のこどもに教…

はしだのりひこさん逝く

先日かまやつひろしさんが亡くなったと思ったら、今度ははしだのりひこさんが亡くなりました。 ご両者は、私の記憶に残る最も古い歌手とも言えるのですよね。 幼稚園に上がるか上がらないかの頃、テレビで見た弦楽器の楽団の絵を描いた記憶がありますが、あ…

天然痘が流行っても改元が

新元号が、2019年5月1日に施行されるそうです。 平成31年度が1か月しかないというのはよく分かりませんね。 平成が大方の予想よりも1か月伸びることで、平成生まれの赤ちゃんが何人増え、平成没の老人が何人増えるのでしょうか。 平成31年4か月を2で割ると、…

正常化

昨年のアメリカ大統領選挙では、トランプ候補が雇用問題について語っていた時に、クリントン候補は「性同一性障碍者のトイレをどうするか」について語っていたそうです。 日本流に色分けして、トランプ候補を保守、クリントン候補をリベラルと見做すならば、…

改造人間

私の勤務校の2年生が、国語の授業で物語を創作しました。 N君という男の子が、渡されたフォーマットに「親友と住んでいる」と設定を書きました。 今時のこどもにしては、友情に厚いですね。 そうして、N君の机の下に鉛筆が落ちているのを発見し、「落ちてい…

女性の良きパートナー

今日、勤務校の3年生の授業で、私がT君のことを「T君」と呼称したら、こどもがざわつきました。 T君いわく、「なぜ俺だけ“君”付けなの?」。 以前は男の子に“君”付けしていた年輩の男の先生も、最近は“さん”付けしています。 学習支援で入っている年輩の女性…

若者は変革を求める

最近の若い人は、自民党を支持する傾向が強いそうですね。 私の認識と異なり、当惑しているところです。 昭和後期に形成された私の認識では、70代以上が最も自民党を支持し、60代、50代、となるにつれて自民党の支持が減って行き、20代は自民党支持が最少に…

映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を見て来ました

西田敏行さんが群像劇の要になります。 西田さんが演じるのは、ナミヤ雑貨店の老いた店主、浪矢雄治です。 1980年、浪矢はシャッターの郵便口から、夜にこっそり届く悩み相談の手紙を受け取り、毎回必ず返事を書いていました。 ・・・2012年、盗みを働いた若…

平成の終焉 冷戦後の終焉

小学校では、おじいちゃん・おばあちゃん世代が第二次世界大戦中のこども体験を語ることは歓迎されます。 そのため、私は臨時的採用教員の面接で、「冷戦時代のこども体験を語りたい」と述べたことがあるのですが、面接者からたちまち変な目をされました。 …

必要なのは授業研究だけではない

私が博士後期課程の指導教員を探していた頃、神戸の私立大学で教授をしていた大塚英志さんにメールを送って返事をいただいたことがあります。 「1970年代こどもの実態論を研究したいのですか。先行研究は阿部進さんですね。ただ、世代論では博士論文は書けま…

変化の遅い現代この40年時間が停止

国立科学博物館が、カラーネガフィルムを未来技術遺産に登録するそうです。 朝日新聞9月6日付け夕刊「素粒子」でも、「白黒時代の記憶もそう遠くはないのに、アナログ人間ももはや遺物か」と論評されています。 昭和40~50年代の文化が無視・軽視されること…

映画を製作して観たいけど

先日教え子に「先生のつうしんぼ」を見せた時も、趣旨が通じていないな、と感じていました。 「この映画に出て来る子役たちは先生と同い年」と言っていたものが、こどもたちには「先生はこどもの頃子役をしており、先生が子役として出演している」と取られて…

昭和40~50年代のこどもの文化を伝えるためには

前記事の事務長の文章を読み、今までの活動を振り返ると、今のところ、本会の趣旨が今のこどもたちに浸透していないと感じています。昭和後期のこども文化のバトンを受け取れる場作りをしたいのですが、試行錯誤中です。 全国各地で児童映画の上映会を実施し…

次代に渡すバトン

朝日新聞8月27日(日)付けに、「平成とは」という記事が掲載されています。 「次代へ渡し損ねたバトン」 「時代を語り 刻む意義」 「さらば『昭和』若者は立った」 「少子高齢化・格差・非正規雇用。20代官僚らは、危機感をネットで発信した」 「分かってい…

現代っ子が性に目覚めていることを隠すために

埼玉県男女共同参画センターで、角田聡美他『ブルマーの社会史-女子体育へのまなざし』青弓社2005年と山本雄二『ブルマーの謎-<女子の身体>と戦後日本』青弓社2016年という2冊の本を手にしました。 借りる時に多少司書の目が気になる本ではあるのですが…

愛玩は室内で

私の勤務校の5年生が、近視の眼鏡を掛け始めました。 野球少年で、決してガリ勉をするような子ではありません。 1980年代に、裸眼視力が1.0未満の小学生は、20%前後で推移していたそうですが、2007年以降この10年間は30%前後で推移しているそうです。 電車…

合宿に参加して

本会代表執筆 甥っ子とよく遊ぶのですが、障子を破ったり、ベランダの外へホースの水をかけたり、いたずらばかりしています。本会の代表を務めているとおり、こどもは好きですが、本音ではどう接していいのか悩んでいました。もし教員になった時、学級崩壊を…

教員志願者の合宿

10日から12日まで、京都で臨時的採用教員の合宿がありました。 実践報告をしたところ、昔から私のことを知っている人が、私の成長を感じると言って下さり、恐縮しているところです。 そうして今回は、本会代表が初めて一泊しました。 これを契機に、新しい人…

あったのになかったかのよう

早稲田大学演劇博物館で開催中の、「テレビの見る夢 − 大テレビドラマ博覧会」を見て来ました。 1970年代~80年代前半を、テレビドラマ黄金期と言うそうですね。 同感です。 「熱中時代」を写真3枚で取り上げていました。 2000年代までの展示を、会場の部屋…

山中恒『現代子ども文化考-「子ども」に寄り添って-』辺境社2017年を読んで

山中さんは、最近公立小学校に呼ばれて、4・5・6年生250人を前にして4・5時間目の授業をしろと言われたそうです。 こどもたちを前に、山中さんがこどもの頃自分をいじめた奴に死んで祟ってやろうと思ったというお話をされたそうです。 すると、男の子たちか…

朝日新聞よ お前さんは男女・女男を作りたいのか

6月27日付け同紙経済面に、「おもちゃもジェンダーフリー」「多様性 親世代が意識」という記事が掲載されました。 「男の子にも人形」「女の子にもプラモ」だそうです。 男の子にはお世話人形を与えるそうです。 「男の子なのに、女の子のおもちゃで遊んで」…

エミール・デュルケームの社会実験

先日新座市立野火止公民館での上映会に見えた方が、本会に対して「仕事・保障・仲間」を強調されました。 16ミリ児童映画復活運動をしていて、孤立することを危惧されたのだと思われます。 ウィキペディア「社会化」から、「社会化の規範性」を引用してみま…

塩田武士『罪の声』講談社、2016年を読んで

グリコ・森永事件の脅迫電話に登場した男児が誰であるかを追うフィクションです。 青酸入りのチョコレートがスーパーマーケットに撒かれたことで、我が子が被害者になることを恐れた主婦たちが、テレビの情報番組を頼りにするようになったそうです。 浜井浩…

どこかで聴いたことがある曲

先日、私の勤務校で、担任に連絡があり中休みに3年生の教室に行きました。 雨が降っていて、こどもたちは電子オルガンで遊んでおり、それとは知らない私は電子オルガンのコードに足を引っ掛けてしまいました。 「何か弾いてよ」とこどもたちにせがまれました…